Fukumoto International Patent Office


建設業の知的財産



                     福本 2007年作成 2010年6月更新

建築物や建設作業に用いる器具にも、特許品が数多く見られます。数多くの部品から
成る電気製品のように、一つの製品がいくつもの特許の束から出来上がっている、と
いう状況ではなく、一つの特許で一つの製品が生まれている、というケースが少なく
ないように思われます。

たまたま目にした発明「裏込めブロック」(特公昭62−291)もその一つです。
これは、建設現場で山留めを行う際に、鋼矢板などの土留め(どどめ)壁が土壁から
受ける側圧を腹起(はらおこし)材に伝えるために、土留め壁と腹起材との間に挿入
して用いるものです。「裏込めブロック」には楔が設けられており、この楔を打ち込
むことにより、裏込めブロック全体の厚さを増すようにして、挿入箇所に応じた適切
な押圧力を加えることができるようになっています。建設現場では有用な器具だと聴
いたことがあります。

技術的な特徴は希薄でも、器具の外観に美的な特徴があれば、意匠登録により保護を
受ける可能性も出て参ります。また、商品に好ましいネーミングを付してビジネスを
展開することにより、他者との差別化を図ることもできます。ネーミングについては、
商標登録を受けることができます。

なお、建築用品ではなく、土地に定着した不動産である建築物そのものについては、
特許の対象にはなりますが、意匠登録の対象にはなりません。また、商標については
商品としてではなく、建築物の取引というサービスについて登録を受けることができ
ます。また、著名建築家が設計したような美的鑑賞の対象ともなる建築物には著作権
も発生します。また、「〜工法」といった建設の方法は、特許の対象となります。

建築関係においても様々な知的財産が存在しています。これらの知的財産については、
前述のような特許権、意匠権、商標権などを取得することによって、第三者の模倣を
排除することが可能となり、事業を有利に展開する可能性が生まれます。


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